【カシミヤってどんな素材?】カシミヤをもっと知ろう!
冬になるとカシミヤマフラーやカシミヤセーターなど、カシミヤという素材の名前を良く耳にします。
カシミヤといえば他の素材に比べると高級なイメージですが、一体どういった素材でどんな部分が優れているのでしょうか?
カシミヤについて今更他の人には聞けないという人のためにも、カシミヤについて徹底解説していきます。
知っておくと、これから洋服やマフラーを選ぶときに便利でしょう。
1.カシミヤ素材って?
カシミヤ素材とはウールと何が違うのか分からないという人のために、詳しくカシミヤについて解説します。
①カシミヤとは?
カシミヤもウールも元は山羊の毛なので、大きな分類ではウールの1つとも言えます。
しかしカシミヤは山羊の中でもカシミヤ山羊という種類の山羊から採取される、冬にしか生えない産毛のみが原料となっています。
多くは採取できないことから、他のウール素材のものよりも希少であり、高級なものがおおくなっているのです。
このカシミヤ山羊は主に中国やネパール、モンゴル、イランといった高い台地に住んでいます。
②カシミヤ素材の特徴
カシミヤと他のウール素材との違いは、なんといっても肌触りでしょう。
柔らかく、気持ちの良い軽い着け心地がカシミヤの魅力となります。
また、冬の寒い時期をしのぐために生えてきた産毛が原料となっているので、保温性や保湿性に優れており、暖かく着用出来ます。
他にもカシミヤであると一目で分かる特徴は、独特のヌメリ感や光沢です。
カシミヤの質が良い物ほど毛が長く細くなっており、艶やかな仕上がりとなっています。
③カシミヤの種類
カシミヤは、1級品から9級品まで等級が分かれています。1級品が最も高級品で、9級品に向かうごとにランクが下がるイメージです。
繊維の細さ、繊維の長さ、ヘアーの混合率によって質が決まります。以下の表でまとめてみましたので、ご参照ください。
ちなみにヘアーとは、山羊の毛の表面を覆っている剛毛のことを指します。
繊維の細さ | 繊維の長さ | ヘアーの混合率 | |
1級品 | 細い | 長い | 少ない |
9級品 | 太い | 短い | 多い |
高級なカシミヤは、一般的に販売されているウールと比較して、およそ10倍前後も値段が高価です。
数十万円もするカシミヤニットは、高級品の方に振り分けられています。高級品のカシミヤニットは、等級の高いカシミヤを使用しているため、肌触りもとてもよいことが特徴です。
●ホワイトカシミヤ
ホワイトカシミヤとは、カシミヤ山羊から採れる産毛の中でも、最高ランクといわれる真っ白な産毛のことです。
厳しい冬の寒さから身を守るため、産毛は細くて柔らかく、保温性に優れています。
また、カシミヤの毛は細くて繊細であるため、色抜きができません。よって、パステルカラーのような淡い色はホワイトカシミヤしか使えません。そのため、何色にも染められるホワイトカシミヤは、とても重宝されています。
カシミヤ山羊には他にも、ベージュ・グレー系統の「グレーカシミヤ」や、ブラック系統の「ブラックカシミヤ」と呼ばれる山羊がいます。ただし、ブラックカシミヤは、ほぼ収穫されていないのが現状です。そのため、グレーやホワイトを染色して使用しています。
●ベビーカシミヤ
ベビーカシミヤとは、カシミヤ山羊の子山羊から採れる、最高の柔らかさと細さをもつ産毛のことです。
ベビーカシミヤの産毛は、1頭からわずか30グラム程度しか採取ができない、とても貴重なものです。大人のカシミヤ羊から採れる産毛が、およそ80から100グラムであるため、ベビーカシミヤの希少性が伺えます。
2.カシミヤ素材のメリット・デメリット
それではカシミヤのメリットやデメリットはどんなものがあるのでしょうか?
良い部分と悪い部分を知って、カシミヤ商品を選ぶ基準にしてみてください。
①カシミヤ素材のメリット
まずは、メリットの方から見ていきます。
前述したカシミヤの特徴部分にもあるものがメリットとなっています。
- 肌触りが良く、チクチク感がない
- 軽いのに保温性や保湿性が高い
- 光沢があり、高級感がある
- 弾力性が高く、型崩れしにくい
これらの特徴からマフラーやニットに最適な素材であることが分かります。
カシミヤは、身に付ければすぐにメリットを感じられるでしょう。
●肌触りがよく、チクチク感がない
カシミヤの繊維は、他の繊維と比較して非常に細いことが特徴です。たとえば、上質の羊毛がおよそ19から20ミクロンのところ、カシミヤは14から16ミクロンです。人間の髪の毛の細さが40から50ミクロンであるため、その細さがどれほどのものか分かって頂けるでしょう。繊維が細いと、その分、しなやかさや柔らかさを感じられます。
さらにカシミヤの繊維は、表面のスケールと呼ばれる突起が小さいことも特徴です。このスケールが小さいことで肌に与える刺激も少なく、チクチクした刺激を感じないようになっています。
それに加え、カシミヤは繊維の表面に油分が覆われています。この油分のおかげで、カシミヤは滑らかさを生み出すのです。
●軽いのに保温性や保湿性が高い
カシミヤには、外気を遮断して内側に熱を保つという特徴があります。カシミヤ表面のキューティクルが空気中の水分を吸収し放出することで、内部の湿度を調節して蒸れを防いでくれます。
また前述した通り、カシミヤの繊維は非常に細いことが特徴です。そのため、束ねて一本の糸を作っても、軽さを保つことが可能です。軽いのに暖かく、放湿性に優れているカシミヤは、とても魅力的ですね。
●光沢があり、高級感がある
カシミヤの表面は、突起が少ないキューティクルにて覆われています。表面が滑らかであるため、光が屈折をせず、美しい光沢感を生み出します。
この光沢感が、より高級感を引き立てるでしょう。
●弾力性が高く、型崩れしにくい
カシミヤは、とても伸縮性が高い繊維です。この伸縮性で、糸は強い復元性を生み出し、カシミヤニットは型崩れしにくいものとなります。
②カシミヤ素材のデメリット
ここまで、カシミヤのメリットについてご紹介しました。ただし、カシミヤにもデメリットはもちろん存在します。例を挙げるとすると、水に弱かったり、虫に食われることがあげられるでしょう。
一方で、デメリットを知っていれば手入れの際に役立ちます。以下では、その対処法についてもご紹介します。
●毛羽だったり毛玉になったりしやすい
カシミヤはとても細い繊維であるため、毛羽立ちやすいことが特徴です。また繊維の端が擦れてしまうと、繊維同士が絡まってしまい、毛玉にもなりやすくなります。カシミヤの、長くて細いという長所が、このようなデメリットにもつながるのですね。
これらを防ぐためには、天然素材で作られている洋服用のブラシでブラッシングを行うことが大切です。そして毛玉が目立ってきたら、毛玉をカットしてお手入れをします。着用回数についても、一日着たら数日休ませる工夫が必要となります。
●虫による食害を受けやすい
獣毛繊維の特徴である、虫による食害は大きな問題です。繊維がタンパク質であるため、どうしても虫に食べられやすいのです。そのため、長期間クローゼットで保管をするときには、防虫剤を入れる対応が必要となります。
●へたってしまいやすい
カシミヤは柔らかい反面、連続で着用をすると型崩れを起こしやすいのが特徴です。コートを着用した後は、必ずハンガーにかけて保管をするようにし、忘れずに形を整えます。
ニットの場合には、ハンガーにかけてしまうと型崩れを起こしやすいため、平置きでの保管がベストです。
●水に弱い
カシミヤは、水に濡れることでシミができやすくなります。また、濡れてしまった箇所はカシミヤの光沢感も薄れてしまいます。そのため、雨の日には着ない方がよいでしょう。
また、カシミヤは湿気にも弱い特性があります。カビや虫食いの原因でもあるため、着用した後には、湿気を取り除いてからクローゼットにしまうようにしましょう。
もし、万が一カシミヤが水に濡れてしまったときには、すぐに乾いた布やタオルを用いて、濡れた部分を優しくトントンと拭く必要があります。擦って拭いてしまうことは、カシミヤを傷めてしまう原因です。絶対にやめましょう。
3.カシミヤのお手入れ方法
それでは、カシミヤのお手入れ方法についてご紹介します。大切なカシミヤを長く愛用するために、ぜひ参考にしてみてください。
着用後にするべきお手入れ
カシミヤを着用した後は、ブラッシングをするようにしましょう。ブラッシングをすることで、繊維の奥の埃を取り除いたり、繊維の流れを整えたりする効果があります。これにより、カシミヤの光沢を守り、毛玉ができにくくなることにつながるでしょう。
それでは、ブラッシングはどのように行うかご紹介します。
①毛並みの流れに逆らい、埃をかき出しましょう。
②毛並みの流れに沿って、埃を払い落とします。
③毛並みの流れに沿って、生地を整えます。
ブラシは、天然素材のものを使用するのがおすすめです。天然素材のブラシは毛が柔らかいため、生地を傷めることなく、ブラッシングができます。
優しく、埃を飛ばすようなイメージでお手入れをしましょう。
また、もしこの時毛玉を見つけたら、毛玉を指先で軽くつまみ、ハサミで優しく切り離します。ニットを切ってしまわないように、注意します。
また、その他にも1回着たら数日休ませる工夫も大切です。ぜひ、カシミヤの特徴を踏まえ、大切に扱いましょう。
カシミヤ素材のアイテムを自宅で洗う方法
それでは、カシミヤ素材のアイテムを自宅で洗う方法を手順立ててご説明します。
①桶に常温の水を張ります。お湯の温度が高いとカシミヤが縮んでしまうため注意をしましょう。
②洗剤を投入し、泡立てます。ウール用の洗剤、または、おしゃれ着用の洗剤を使いましょう。カシミヤはタンパク質であるため、普段使用しているシャンプーでも代用可能です。
③手洗いの場合は、軽く振り洗いや押し洗いをします。目立つ汚れは、指でつまみ洗いをします。つまみ洗いでも落ちない汚れは、シミの可能性が高いため、自宅で何とかしようとせず専門家に相談しましょう。洗濯機を使用する場合は、手洗いコースを選択します。ドラム式洗濯機は、叩きつけるような動きをするため、カシミヤを傷めてしまうリスクがあります。使用することはおすすめできません。
④きれいにゆすいだら、柔軟剤を入れます。油分の補給が大きな目的であるため、リンスでも代用可能です。また、この手順を踏むことで繊維を保護することにつながります。
⑤脱水をします。脱水の際は、洗濯機の脱水機能の使用がおすすめです。ニットがドラムに張り付くことで、遠心力で水分を吹き飛ばします。手で絞るより、ニットにとってよいので、ぜひ洗濯機を利用しましょう。
洗濯機を使用しない場合は、軽く水気を取った後に、バスタオルにくるんでタオルドライをします。
⑥最後に、洗う前のニットのサイズになるように形を整えます。
乾燥時の注意点
カシミヤを乾燥させる際には、できるだけ平らなところに置き、自然乾燥をさせるようにしましょう。この時、変色を防ぐために直射日光を避けて、風通しのよい日陰に置きます。もし吊るして干してしまうと、ニットに重さがかかり型崩れしてしまう原因となります。
また、乾燥機を使用することも厳禁です。カシミヤに熱や摩擦を加えてしまうと、生地を縮ませてしまうリスクがあります。
4.マフラーやストールを選ぶならカシミヤ素材が一番いい?!
カシミヤ素材について詳しく解説してきましたが、マフラーやストールを選ぶにはカシミヤが最も最適であるかどうか写真と共に見ていきます。
カシミヤマフラーは写真で見るだけでもその毛艶は分かります。他の素材のマフラーよりも上品な雰囲気となり、落ち着いた雰囲気のコーディネートにも最適です。
もちろんカジュアルな普段使いでも、一味加えたスタイリッシュさを出すことが出来ます。
毎日使うマフラーやストールだからこそ、上質で気持ちの良いものを身に付けたいものです。
カシミヤであれば、軽くて暖かいからこそ持ち運びにも便利で、ショールとしても活用することが出来ます。
どんなスタイルにでも合わせやすく、尚且つ利便性も高いカシミヤ素材だからこそマフラーやストールではカシミヤ100%のものがおすすめです。
5.カシミヤ素材を知って、良質なカシミヤを知ろう。
カシミヤ素材はマフラーとして高品質なものとなります。
もちろん他の素材と比べると高価格なものが多くなっていますが、「カシミヤ専門店マッティトッティ」であれば、良心的な価格でカシミヤマフラーを購入出来ます。
カラーバリエーションも豊富なので、探している色や柄も見つけられます。
カシミヤマフラーがあれば、長く愛用出来るので何十年と使用できるものとなるでしょう。
監修者
林 絵理子(スタイリスト)
2009年5月~Styling Office seed 小谷 晃司氏 師事
2011年11月~拠点を東京にも設けフリーランスで活動開始(大阪に関してはseed所属)
2015年4月~Styling Office seedより独立
2017年11月~brickを設立
2022年11月~brick stock room増床
(同ビル602)