カシミヤストール・カシミヤマフラーの魅力にフォーカスC.I.CCASHMERE ITEM COLLECTION

カシミヤのお手入れ方法とは?保管から洗濯の方法までを解説

カシミヤ製品を長く使うには

高級素材であるカシミヤは、正しく扱えば一生モノになり得ます。ここでは長く使うために意識してほしいことを3点ご紹介します。

普段の手入れを怠らない

・着用後に毛羽立ちが生まれやすい
・毛並みを維持するために適度にブラッシングをする

カシミヤは天然繊維のなかでも極めて細いことが特徴です。一つひとつの繊維が細いため摩擦に弱く、着用後にはどうしても毛羽ってしまうことが多くあります。毛羽立ちを放置すると、立ち上がった毛羽同士が絡み合い、毛玉の原因になります。毛羽立ちや毛玉はカシミヤの美しい艶を損なわせるため、素早い対処を心がけましょう。着用後のブラッシングを習慣にするなど、適度なブラッシングを行うことで美しい毛並みを維持できます。

使った後は休ませる

・カシミヤ製品は休ませると元の形に戻る
・長く使うためには、カシミヤを休ませることが重要

カシミヤには数日休ませると元の形に戻ろうとする性質があります。これはカシミヤ繊維が湿気の吸収と発散を繰り返し行うためです。
長く使用するには、この性質をうまく利用できるかがポイントです。
連日の使用はできるだけ避けるようにし、一度使用したら数日休ませるようにしましょう。そのような工夫を行うことで商品本来に近い形の維持が可能になり、長く愛用できます。

シーズン終わりには洗って保管する

・汚れは時間が経つと固着してしまうため、早めに処理する
シーズン終わりには必ず洗って保管するようにしましょう。なぜならシミ汚れは時間が経つと固着してしまい、カビや虫食いなどのトラブルの原因になるためです。汚れてしまった場合はすぐに染み抜きや部分洗いで取り除くよう心がけましょう。自分でクリーニングすることに自信がない場合は業者に頼むのも方法のひとつです。しかし業者では他の商品と一緒にクリーニングされるケースが多いため、そこでのトラブルの可能性も否定できません。お店に頼む際は実績のあるところを選ぶようにしましょう。きちんと清潔にした状態で保管することで、次の使用の時までよい状態を保てます。

カシミヤのお手入れ方法

ここではカシミヤのブラッシングの手順と汚れを落とす時の方法をご紹介しています。

着用後は必ずブラッシングをする

着用後は必ずブラッシングをしましょう。ブラッシングは埃を払うだけでなく、繊維の奥に溜まった埃をかき出し、繊維を整え、生地本来の艶を出すことができます。また、絡みかけた繊維がほぐされ、毛玉ができにくくなるなどのメリットがあります。

ブラッシングの手順は以下の通りです。
1.繊維の流れに逆らってブラシをかけます。繊維に逆らわせる理由は埃を掻き出すことが目的です。
2.繊維の流れに沿ってブラシをかけ、先ほど掻き出された埃を払い落とします。
3.毛並みに沿わせブラッシングを行い、生地を整えて完成です。

ブラッシングを行う際は、力を入れすぎないよう注意しましょう。カシミヤにブラシを強く当ててしまうと生地にダメージを与えてしまいます。

汗染みや汚れはその日のうちにふき取る

カシミヤの衣類は汗や汚れが付着しやすく、汚れを放置すると虫がつきやすくなったり、シミになりやすくなったりとトラブルの原因になります。そのためカシミヤに付着した汚れはその日のうちに拭き取るようにしましょう。

汗染みや汚れを拭き取る方法は以下の通りです。
1.柔らかいタオルを用意し、水で薄めた中性洗剤を染み込ませる。
2.1で用意したタオルを汚れが目立つ部分に軽く叩き込む。
3.水を含ませたタオルで拭き取り、汚れが落ちたら陰干しで自然乾燥させる。
4.ブラシで表面を整えて完成。

普段のお手入れで気を付けること

ここでは普段のお手入れで気を付けてほしいことを紹介します。

ブラッシングには馬や山羊毛のブラシを使う

カシミヤ製品のブラッシングには、馬や山羊の毛を使用した天然毛のブラシを使用するようにしましょう。なぜなら天然毛のブラシは毛が柔らかく、生地への負担が減るためです。また、天然毛には油分や水分が含まれており、静電気が起きにくいというメリットがあります。
豚毛のような毛が硬めのブラシは、ブラッシングのときに繊維を削ってしまう可能性があるため、カシミヤとは相性が悪いといえるでしょう。

アイロンは直接当てない

カシミヤにアイロンをかけるときは生地と直接当ててはいけません。なぜならカシミヤ繊維は熱に弱く、直にアイロンを当ててしまうとカシミヤの艶が失われてしまうためです。
カシミヤにアイロンを当てる際は必ずハンカチや手拭いなどの当て布を用意します。そして、アイロンの温度は高くても中温(140℃〜160℃)までに抑えましょう。
アイロンを掛ける際は、スライドさせないように気を付け、上から軽く押し当てるようにしましょう。スライドさせると歪みの原因になります。

カシミヤを洗濯する方法

・洗濯の手順を記載
カシミヤはご自宅での洗濯が可能です。
ここではカシミヤを自宅で手洗いする時の手順をご紹介します。
まずはたらいに水を用意します。この時、水の温度は常温、または洗剤が解けるようでしたら冷水でも大丈夫です。カシミヤは熱に弱いため、お湯やぬるま湯は避けるようにしましょう。
つぎに、洗剤を入れ、よく泡立てます。好ましい洗剤はウール用洗剤です。ただし、普段使用しているシャンプーでも構いません。なぜなら、カシミヤは髪と同じタンパク質でできているためです。
つぎに、軽く押し洗い、または振り洗いを行います。目立つ汚れはつまみ洗いが効果的です。もし、つまみ洗いをしても落ちない場合、その汚れはタンパク質が変形したシミの可能性があります。それは自宅で落とすことは不可能なので、専門家に相談したりお店に持って行ったりするのが最善の解決方法です。
汚れが落ちたら一度全体を綺麗にすすぎ、その後柔軟剤を入れます。柔軟剤を入れることで洗い流されてしまった油分を補給します。リンスでも代用可能です。油分を補給することで繊維が保護されます。
最後に、脱水は洗濯機の脱水機能を利用しましょう。
洗濯機の脱水は遠心力を使うため、手で絞るよりもダメージを抑えた脱水ができます。

以上がカシミヤを手洗いする方法です。これらすべての工程に共通して、摩擦には十分に注意しましょう。

カシミヤを洗濯する際に気を付けること

カシミヤ製品は、洗うことで柔らかさや味わいが増します。洗濯時に少しの注意を払えれば、カシミヤはよい状態を保ち続けてくれます。

洗濯後は必ず日陰で平干し

カシミヤは日陰で平干ししましょう。なぜなら洗濯後の水分の含んだ状態で吊るしてしまうと、水を含んだ重みで生地が伸びてしまい、型崩れにつながるためです。
最適な平干しの方法は網の上に干す方法です。ただし、網が無い場合はバスタオルで代用しても構いません。バスタオルの場合はすぐに水気が溜まるので、半日程度でひっくり返したり位置を変えたりする必要があります。早く乾かしたい場合は扇風機の風を当てると効果的です。

洗濯機を使うときは手洗いモードを使う

カシミヤの洗濯方法は基本的には手洗いが好ましいとされています。ただし、手洗いモードであれば洗濯機でも洗えます。
洗濯機で洗う際の懸念点は摩擦です。一度に多くの洗濯物と洗うと摩擦や縮みの原因となるため、カシミヤを洗濯機に入れる際はタオルに包むか洗濯ネットに入れるようにしましょう。
また、ドラム式洗濯機の利用はおすすめできません。なぜならドラム式洗濯機は叩きつけるような動きをする可能性があるためです。叩きつける動作は繊維を傷つけやすいため、カシミヤの洗濯はドラム式洗濯機以外の利用をおすすめします。

カシミヤを保管する方法

保管前は必ず汚れや埃を落としましょう。クリーニングに出した場合は、袋から取り出しておきます。
まず、収納前の天気の良い日に2日間ほど風通しの良い場所で陰干しし、余分な湿気を飛ばします。そして、収納する際は詰め込みすぎないように注意が必要です。収納の際、ハンガーにかけることは防虫や除湿効果が弱くなるため、あまりおすすめできません。カシミヤを保管する際は平置きで収納するようにしましょう。

カシミヤを保管するときに気を付けること

天然素材のカシミヤ製品は間違った保管方法をしてしまうとトラブルの原因になります。
ここではカシミヤを保管するときに気をつけて欲しいことを記載しましたので、ぜひご参考ください。

食害やカビ予防は徹底する

天然素材であるカシミヤは多々カビや虫害が発生します。そのため防虫剤と防湿剤を必ず使用しましょう。その際、防虫剤は衣類の一番上へ置くことでより効果を発揮します。これは防虫剤の成分が空気より重く、上から下へと防虫効果が広がるためです。
また、余分な湿気を防ぐために収納の際は通気性を確保するようにしましょう。クローゼットや引き出しに収納する際、あまり詰め込みすぎないようにし、適度な空間を開けることが大切です。

折りたたんで平置きで保管する

カシミヤを保管する際は、綺麗に折りたたみ、平置きで保管するようにしましょう。カシミヤに限らずニット全般はハンガーにかけての保管はおすすめできません。なぜなら、ハンガーにかけて保管すると衣類そのものの重みによって伸びやすく、形が崩れてしまうためです。たたんで保管する際もできるだけ折りたたむ部分を少なくし、左右均等にたたむと綺麗な状態で保管できます。

カシミヤ製品を扱う上でのそのほかのポイント

ここではカシミヤ製品に起こりうるさまざまなケースやトラブルを取り上げ、その対処法をご紹介します。

しわ伸ばしにはスチームがおすすめ

オフシーズンなど、長期間たたんで保管しているとたたみジワが付きがちです。カシミヤ製品に付いてしまったしわを伸ばすにはスチームが効果的です。
カシミヤには湿気の吸収と発散を繰り返すことで元の形に戻ろうとする性質があります。スチームを当てることでその働きを作用させ、しわを無くすことが可能です。スチームを当てるときはカシミヤから少し浮かせた状態で行うのがコツです。

濡れたときには基本的には自然乾燥がおすすめ

外出中、突然の雨に振られ、カシミヤアイテムを濡らしてしまうことが今後起こるかもしれません。濡れてしまった場合は、自然乾燥で乾かしましょう。
早く乾かすためにドライヤーの利用が効果的に思えますが、それは間違いです。その理由は、ドライヤーの熱を与えてしまうと、熱に弱いカシミヤは変質する可能性があるためです。
濡れてしまった時は、タオルで余分な水分を拭き取った後に平干しし、可能であれば暖かい部屋で自然乾燥させるようにしましょうしょう。

化粧汚れにはベンジンがおすすめ

カシミヤについてしまった化粧汚れにはベンジンがおすすめです。というのも口紅やファンデーションなどの汚れは油性で、水で落とすことは困難です。ただし、ベンジンを柔らかい布や綿棒につけて、軽く叩き出すと簡単に汚れが落とせます。汚れを落とす際、シミがついている下の面に不要になった布を敷き、その布に吸い取らせるように表面を叩くとより効果的です。
ベンジンは揮発性が高いため、使用する際は必ず換気を行ってください。また、汚れをベンジンで落とす前に色落ちや色褪せをしないか一度目立たないところで試すようにしましょう。色褪せた場合はベンジンの使用を控え、クリーニング屋に相談し汚れを落としてもらうのが安心です。

においを取るには水洗いがおすすめ

カシミヤのにおい取りの方法には消臭スプレーや陰干しなどの方法があります。そのなかでもおすすめしたいのが水洗いでの方法です。
まず、30度以下の水を用意します。カシミヤは熱に弱いため、ぬるま湯やお湯の使用は避けましょう。つぎに、用意した水に中性洗剤を溶かし入れます。そしてカシミヤ製品を20分程度つけ置きしたら完了です。こうすることで、においが取れるだけでなく、見えない汚れも落ちます。

毛玉取りにははさみがおすすめ

カシミヤは毛玉が生じやすい素材です。日頃からブラッシングを心がけていても毛玉が生じてしまいます。もし毛玉が発生した場合は、毛玉カッターではなくはさみで除去することがおすすめです。なぜなら毛玉カッターだと満遍なく削ってしまい、生地を薄くする可能性があるためです。できてしまった毛玉は引っ張らず、先の細いはさみで優しくカットしましょう。そうすることでカシミヤの上質な質感を保つことが出来ます。

専門店へのクリーニング依頼もおすすめ

上記でカシミヤを自分でも洗濯できる方法をご紹介しましたが、自信がなければお店でクリーニングしてもらうと良いでしょう。しかし、クリーニング店にさえ持っていけば必ず安心という訳ではありません。デリケートな素材であるカシミヤは通常のドライクリーニングだと油が落ちてしまい、乾燥しカサカサになってしまう場合があります。そうするとカシミヤ独自の滑らかな肌触りが損なわれてしまいます。そのようなトラブルを避けるために、お店に持って行くときにカシミヤ製品であることをきちんと伝えるようにしましょう。或いは、実績のあるお店やカシミヤ専門のクリーニング屋を選ぶことがトラブルを防ぐのに最も有効な手段です。

まとめ

扱いが難しいと思われがちなカシミヤですが、案外そうではありません。これまでカシミヤの手入れを自身で行うことを避けていた方にも、今回をきっかけにカシミヤの手入れに挑戦していただければと思います。

監修者

林 絵理子(スタイリスト)

2009年5月~Styling Office seed 小谷 晃司氏 師事
2011年11月~拠点を東京にも設けフリーランスで活動開始(大阪に関してはseed所属)
2015年4月~Styling Office seedより独立
2017年11月~brickを設立
2022年11月~brick stock room増床
(同ビル602)